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【レビュー】『失敗学のすすめ』

僕の読書の仕方は、

自己啓発本を読むのは好きなのに、読んでる自分は嫌い。
特に自分の本棚に並んでいる本のラインナップを見ると、切ない気持ちになる。
読んでる時間はキラキラと前向きになるのに、
読んだ後は燃え尽きたのか、気持ちも落ちてくる。
そうしてまた、別の本を手に取る…

10年以上続けてきた結果、
どれだけ本を読んでも、自分は何も変わっていませんでした。
自分を変えたい、もっと成長したいという気持ちはあったにも関わらず。

そこで出会ったのが
→『失敗学のすすめ』という本でした。

この本は、自分が今まで読んできた本とは異質で、多くの気づきがありました。

この本を読んだ後、僕の中で起きた変化。

サイデス
サイデス

「なんだ失敗しなきゃだめじゃん」

「むしろ失敗してないことが失敗で、
それが成功・成長できない原因じゃん」

と嫌な、むしろ避けるべきと思っていた失敗が、
ポジティブなイメージへと変わりました。

目次

キーワードは、失敗創造

この本で、失敗に次いで何度も登場するワード、それが「創造」です。

失敗と創造。
これまでの僕には、この2つがつながっているとは思えませんでした。

著者はこの2つについて以下のように言っています。

創造力とは新しいものを作り出す力を意味している以上、
失敗を避けて培えるものではありません。
創造力を身につける上でまず第一に必要なのは、
決められた課題に解を出すことではなく、自分で課題を設定する能力です。

では創造力がなぜ必要なのか。

学校の授業で教える知識は、すでに改良が加えられて、
課題から結論までが無駄なく一直線上の状態にあるものがほとんどです。

学校で勉強してきた「これが正解」という
唯一の解が通用する場面は実社会では滅多にありません。

受験勉強などで、ある決められた仕事をこなすためには、
「こうすればうまくいく」話はたいへん有効です。
しかしあたなたじきに「こうすればうまくいく」話だけでは
不十分だということに気づくでしょう。
なぜなら「うまくいく」話をもとにつくった企画は
「どこかで見聞きした企画」にすぎないからです。

「こうすればうまくいく」といういわば
陽の世界の知識伝達によって新たにつくりだせるものは、
結局はマネでしかありません。

学校で学ぶ知識も大事だけど、
それだけでは解決できない問題が世の中にはたくさんあります。
そんな時に必要なのが創造力であり、
創造力を養うためには行動しなければならない。
すると当然失敗する。
自分にとって、世の中にとって新しいことだから。

社会人になって6年以上が経って、本当に著者の言う通りだなーと感じています。

社会には法律というルールがあり、
社内にはあらゆる規則があり、
それに則って実行すればいいように思えます。

でも実際は、いろんな要因を加味して、
いろんな解決案があって、いろんな人の思惑があって、
どこにどう落とし込むかという点で悩むことが多々あります。
正解がどれなのか、正解なんてあるのかさえわかりません。

どれが正解かなんてわからないけど、
どれかを選んで行動しなければ、
正解か失敗かどうかも分かりません。

だからまずは行動してみる。

そこで失敗したらどうすればいいの?
その答えは、
実例をもとに失敗を学びに変える方法が本書に掲載されているので
ぜひ読んでみてください。
(今後、アウトプット10選でも実行します。)

どんな人が書いてるのか

そんな失敗と創造をつなげて考えている著者は一体何者か。
著者の畑村洋太郎先生は、元東京大学工学部の教授であり、
現在は名誉教授としてご活躍されています。

専門は
失敗学、創造的設計論、知能化加工学、ナノ・マイクロ加工学

と、素人の僕にはさっぱりわかりませんw

本書に挙げられている実例も、東大での授業内の実験のことや、
工学の専門分野の内容が多々あります。
というのも、元をたどるとこの本は、工学書として1996年に発行された
『続々・実際の設計ー失敗に学ぶー』という本をもとにしており、
約20年前の2000年に、より多くの人へ知ってもらうべく再編されたのが
この『失敗学のすすめ』なのです。

ここでお願いです!

どうか「工学」「20年前」
というワードで毛嫌いしないでください!

工学書だけど・・・

一般の人にとっては馴染みが薄い分野ですが、
読んでみると説明が分かりやすく、
学生へ指導しているかのような優しい語り口調のため、
読んでいて、頭の中で言葉が流れた時に、とても心地がいいんです。
つまり、難解な専門書ではありません!

20年前の本だけど・・・

また20年前というと、僕はまだ小学生ですw
その頃に発行された本なのに、全く色褪せてません。
むしろ失敗について考えてこなかった僕にとっては、
恐ろしく新鮮でした。

それは「失敗」というのが、いつの時代にもつきまとう普遍的なものだからです。
20年前に考えられていた失敗と、現代の失敗では内容は違っても、
人間が関わる限り、同じような性質の失敗なのではないでしょうか。
「歴史は繰り返す」とも言いますしね。

それを裏付ける一つの記事がこちら

世界経済フォーラム、通称ダボス会議にて、
2020年に必要とされるトップスキルの3位に「創造力」がランクインしています。
ここで注目したいのは、3位に入っていることではなく、
2015年では10位だったということです。

AIなどのIT技術の発展からか、
ビジネスに必要とされるスキルも5年で大きく変化しています。

20年前、畑村洋太郎先生は、
このような世の中を予想して本書を出したんでしょうか。
いつかお会いしてみたいです。

最後に

この本は僕と同じように、
自分の本棚に自己啓発本が並んでいる人にぜひ一度読んでもらいたいです。
成功したい、成長したいという気持ちは痛いほどよく分かります。
でも、それにはいろんな人の成功例ではなく、
自分の失敗に向き合うことの大切さをこの本は教えてくれます。

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この記事を書いた人

元靴磨き職人サラリーマン。
ビルケンシュトックが好き。
登山やキャンプなどのアウトドアも好き。

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