中学生のころから服が好きだった。
雑誌もよく読んだ。
おしゃれな人のインスタも毎日チェックした。
服屋さんにも何度も通った。
クローゼットの中には自分で好きで選んだ服がいっぱい。
なのに、なんで僕はおしゃれじゃないんだろう。
こんな悩みに答えをくれたのが
「わたし史上最高のおしゃれになる!」という本でした。
この本を読んで、
おしゃれという漠然とした、
ある種の劣等感を覚えるような、
負のイメージだったものが、
キラキラしたイメージに変わり、前向きにおしゃれになろうと決意できました。
どんなことが書いてある本か
本にはおしゃれになるための5つのルールが書かれています。
①なりたい自分を決める
②メインカラーとサブカラーを決める
③全体は3色以内に
④リレーションをつくる
⑤自分のオリジナリティを入れる
このルールを図にしてまとめるとこんなイメージになりました。
(この図は僕の勝手な解釈です!)
なりたいわたし、シーン、イメージマップという根を張って
ワードローブを自分の手取り10%の予算の水で育てていく。
育ったワードローブには、おしゃれに見えるルールを守って綺麗な葉や花を咲かせる。
そして主人公はおしゃれな服じゃなく、”わたし”自身であること。
このルールだけを見たら、どこかで見聞きしたことがあるかもしれません。
特にコーディネートを3色に抑えるのは、ヒルナンデスの3色ショッピングでもお馴染みです。
おしゃれな組み合わせ、アイテムについて紹介した本や雑誌はこの本だけではありません。
なぜこの本が僕には突き刺さったのか。
理由は2つ。
おしゃれを言葉で論理的に表現していること。
1つ目は、おしゃれを言葉で論理的に表現していることです。
実際にこの本を手にとって、パラパラとめくってみてください。
おしゃれについて書かれている本なのに、文字がぎっしり。
写真はなく、イラストが数ページ。
おしゃれなコーディネートの例はほぼありません。
これはおしゃれなアイテムを自分で決めるためです。
前述したよく聞く3色ルールも、
①なりたいわたし②メイン・サブカラーを決め、
さらにまずはメインカラーのみで1色コーデを完成させるという筆者からの説明で、初めて服の組み立て方が論理的に理解できました。
これが僕には雷が落ちたような衝撃でした。
1色だけのコーディネートとは、例えば全身ネイビー1色、全身白1色などです。
もちろん、いつもこの全身1色でコーディネートして外へ出ていけという話ではなくて、こうやってアウター、トップス、ボトムス、靴、バッグと揃えておくと、2色3色のコーディネートをつくるのが容易にになるということです。
まず自分で選んだメインカラーのみでを一式揃えます。
そこからいくつかのアイテムを他に選んだカラーに変更し、2色3色と色を加えていきます。
3色コーディネートと聞くと、
「はいはい3色にまとめればいいんでしょ」
と簡単思ってしまいがちですが、意外と難しいです。
普段なんとなく合わせると、平気で4色以上使ってしまいます。
そこで0からコーディネートを始めるんじゃなく、1式揃った状態からだと、簡単に3色以内に抑えたコーディネートが作れます。
「おしゃれを人生の目的にしてはいけません」
2つ目は、
「おしゃれを人生の目的にはしていけません」という強いメッセージです。
結局のところ、
何と何を組み合わせればおしゃれになるというコーディネートの提案は、答えのようで答えではないんです。
その組み合わせは、ある時代のある場所ではおしゃれかもしれませんが、別の場所ではおしゃれではなくなるからです。
店員がおしゃれと言ってくれた
雑誌でオススメされていた
ネットの評判が良かった
これらの理由で服を選んでいると、自分で服を選ぶ力が身につかず、結局わけのわからないまま他人の意見に従うしかできません。
いつまでたっても自分のおしゃれは理解できません。
だから、本のタイトルにもある「わたし史上最高のおしゃれ」を目指すことが大事なんです。
他の人が決めたんじゃなく、自分で決めた”わたし”に向かって、予算を組み、計画的にワードローブを揃えていくことで、おしゃれ・ファッションを人生の目的とせず、本当の人生の目的に向かって歩んでいくことこそが、筆者の願いです。
こんなことを主張する本が今まであったでしょうか。
「おしゃれが人生でもっとも重要なことではない、かつそれが目的でもないと常に認識することによって、どんなに心が楽になるでしょうか」
「おしゃれとは、あなたのしもべです。しもべに主人公の座を明け渡さないように、しもべを必要以上にかわいがらないように。そして、しもべにコントロールされないように、主導権を奪われないように、あなたをみじめな思いにさせないようにしてください」
この言葉に僕はぐっと込み上げるものがありました。
僕の過去の経験とリンクしたからです。
めちゃくちゃおしゃれに決まったと自負するぐらいのコーディネート、ヘアスタイルをしているのに、なぜか幸せじゃないなって思うことが過去に何度もありました。
その時のモヤモヤした、嫌な苦しみが、この本を読んでやっと理解できました。
おしゃれして買い物に行ったのに、
いいアイテムが見つからず、
歩き疲れて、カフェで1人スマホをいじっているときにふと、
俺、今日何しにきたんだろ。
見た目はおしゃれなのに、なんかみじめだな。
まさにおしゃれをすること自体が、目的になっていたから、おしゃれになれないし、
ゴールのない、目隠しをしたままで、ボヤッとしたおしゃれという幻想を自分の外に探し求めていました。
これは辛かった。こんな思い二度としたくないです。
主人公は服じゃない、おしゃれじゃない、自分だ。
本を読んで、救われたと思ったのは初めてでした。
こんな言葉をかけてくれる筆者とはどんな方なのか。
どんな人が書いているのか。
ブログはこちらから。
(この本についても元々はこのブログで綴っていた文章を、体系的に再構築したものだそうです)
学校で服飾の知識を学び、ブランドの経験もある。
どおりで文章に説得力があるわけです。
それとは別に僕が気になった点がありました。
「中学から大学まで演劇部だった私は、脚本を読み、キャラクターを分析してから衣装について考えるということを続けてきました。このやり方は、お芝居の中だけではなく、私たちの日常生活のワードローブ構築にも通用します」
小林さんのこのメソッドの出発点には、学生時代の演劇部の経験があるそうです。
実際に、本の中には「シェイクスピア」の話が出てきたり、
なりたいわたしを設定する際は「主人公」や「シーン」というワードが出たりと、
ところどころに物語で表現する言葉を使われています。
そこで全体を通じて気づいたこと。
それはこの本にあるルールだけを見て実践するのは、やめたほうがいいということ。
なぜならこの本は、
はじめからおわりまでが、1つの物語になっていると感じたからです。
映画の重要なシーンだけ見ても面白くないのと同様に、
個々のルールだけを実践するんじゃなく、
オープニングからエンディングまで筆者の言葉を味わってほしいということです。
最後に
僕の好きな漫画の1つ「ハチミツとクローバー」5巻にこんなセリフがあります。
「努力する」か「諦める」かどっちかしかないよ
人間に選べる道なんて
いつだってたいていこの2つしかないんだよ
大好きな商店街の兄貴分たち5人からプロポーズされて、困って逃げてしまった山田さんに花本先生がかけた一言です。
おしゃれに悩んでそれを解決したいのなら、努力しよう。
それかきっぱり諦めて、別のことに力を注ごう。
もしくは、何もせず現状維持でいるか。
僕にとってのおしゃれとは何か。
この本を通じて、ちゃんと向き合えるようになりました。
僕は努力する道を選びます。
そしてそれはおしゃれじゃなく、まずどんな”わたし”になりたいか、自分と向き合うこと。
この本に出会えてほんとによかった。
小林直子さんありがとう。
コメント
コメント一覧 (3件)
Awesome post! Keep up the great work! 🙂
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