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好きなことを仕事にするとは?靴磨き職人を辞めたたった一つの理由。

趣味だった靴磨き。

靴磨きを仕事にしようと僕は靴磨き職人を目指してある会社に入りました。

先輩や社長から様々なことを教えていただき、今でも感謝しています。

そして、靴磨き職人を辞めた今でも、靴磨き職人として働いていたことに対して後悔はありません。

きついこともたくさんあったけど、楽しいこともたくさんあった。

そして何より靴が、靴磨きが好きだった。

でも僕は靴磨き職人を辞めました。

目次

靴磨き職人を辞めた理由

今回はそのたった一つの理由から、2つのテーマについて話していきます。

①靴磨きの実態
②趣味を仕事にするとは(僕の場合)

最初に結論を言うと、
僕が靴磨き職人を辞めた理由は、

「キツかった」

それだけです。

なんだよ、それだけかよ!

なんて思うかもしれませんが、

実際そうでした。

靴磨きをやったことがある人も、ない人も、
多かれ少なかれ、靴磨きにはこんなイメージがあるのではないでしょうか。

路上で少年が日銭を稼ぐためにやっているイメージです。

これは単に「貧しい」ということだけではありません。
そのさらに深くには、

「誰でもできる」
「簡単にできる」
「汚れ仕事」

こういった潜在イメージがあるんだと思います。

実体験として、靴磨き職人として接客していた時、
明らかに傲慢な態度を取られるお客様もいらっしゃいました。
(もちろん、多くのお客様が感謝してくださる方でしたが)

これもキツかった理由の一つではありますが、決定打ではありませんでした。

先ほどの、路上靴磨き少年のイメージと打って変わって
スーツをビシッと決めて、かっこいいオシャレなバーのような雰囲気の中で
靴磨きをするお店も増えています。

そんなイメージで、靴を磨いている姿はなんだかかっこよくも見えてきます。

ですがですが、
このかっこいい姿には、ちゃんときついこともあるんですよ。

靴磨きは体力仕事

靴磨きはどれだけかっこ良くパフォーマンスをしても、
僕が実際に職人としてお客様からお金をいただいて磨いた体験談として感じたこと。

それは、靴磨きは「体力仕事」だってこと。

これに尽きます。

趣味として、靴を磨くのであれば、苦労よりも楽しさが勝るでしょう。
1足2足、靴好きな人ならば、一度に10足ほど磨くこともあるでしょうが、

これが仕事となれば、1−10足では食べていけません。

毎日30足以上の靴を、
様々なお客様と接客しながら、
様々な状態の靴をお客様がびっくりするぐらいきれいにするには、

本当に疲れます。

腰も腕も指も。

お客様がすごく喜んでくれて、
キラキラした目で靴がきれいになっていくのを見ながら、
最後には笑顔で「ありがとう」って言われる。

とてもやりがいのある、やりがいだらけでの仕事でした。

でも、体がついていかなかった。

体がやられてくると、今度は心がやられていきました。

夜は明日の仕事の辛さを考えて寝付けず、

朝は当日の仕事に行くのが嫌で、ギリギリまで起きず、

そして限界を迎えた僕は、靴磨き職人を辞めました。

数年経った今だからこそ、
少し離れたところから客観的に語れるけれど、
当時の僕はボロボロになりかけていました。

趣味だった靴磨きを仕事にしたことによって、変わったこと。

でも決して、靴磨き職人を蔑んでいるわけではありません。

冒頭、僕は靴磨き職人として働いていたことを後悔していないといった言葉の通り、

僕の人生にとって、必要な大切な時間であることは間違いありません。

ただし、

趣味だった靴磨きを仕事にしたことによって、変わったこと。

①仕事はお客様からお金をもらってやること。
②自分のものを大事にすることと、人のものを大事にケアすることはまるで違うこと。

すべて当たり前のことですが、
「好きなこと、夢」を考えた時に、
僕はポジティブな面しか見れませんでした。考えられませんでした。

サイデス

大好きな革靴、靴磨きを仕事にできるんだ!
力をつけたら自分のお店とか持ちたいな!
内装とかはこんな感じで・・・

少しでも冷静になって立ち止まって考えてみてほしいことです。

①仕事はお客様からお金をもらってやること。
ボランティアでもなく趣味でもない。
お金を受け取って依頼された仕事に、妥協はありません。

好きとか嫌いとか自分の趣味に関係なく、答えなければいけません。

②自分のものを大事にすることと、人のものを大事にケアすることはまるで違うこと。

僕は靴磨きが趣味だった頃、持っていた革靴は3足。
いろんなクリームやブラシやら、靴磨きグッズを買っては磨いて楽しんでいました。
しかし、誰か他の人の靴を磨くということは、
職人として働き出すまでは経験したことがありませんでした。

そこで分かったこと。


自分が好きで、大好きで、ケアしている時間も好きなことだけど、
それが全て他人のものとなると、

全く同じ「靴磨き」ではあるけれど、
自分に生じる心の状態は全く違うということ。

どういうことか。

僕が靴磨き職人を目指した、とても単純な思考

サイデス

①靴磨きされた20年選手の革靴を雑誌で見て、
 新品よりもかっこいいものの存在を知る。
②革靴・靴クリームを買い、自分なりに靴を磨いてみる。
③楽しい。
④楽しいことが仕事になればいいなあ・・・

自分で言うのもなんですが、めちゃくちゃアホですね。

僕が言いたいのは、
「好きなこと、趣味を仕事にする奴はアホだ」
ってことではありません。

好きなこと、趣味を仕事にするとはどう言うことなのか。
ちゃんと想像していなかったこと。


体験もせず、ポジティブな面だけを見ていたこと。

さらに、靴磨きについて全然知らなかったこと。
(僕が靴磨きについて本当に知ったのは、職人の見習いになってからが初めてでした)

他の職業でも同じこと

他に例えるなら、
映画好きな人が映画館で働いたら幸せかどうか。

そりゃいつでも映画の雰囲気を味わえて最高じゃん

なんて、思えてしましますが、

映画館の仕事はどんな仕事でしょうか。
チケット販売、場内案内、清掃、売店などなど。
映画館の中とはいえ、実際に行う仕事内容はいわゆる接客業です。
どれだけ映画が好きでも、接客が仕事に向いているのか、好きなのかは分かりません。

まとめ

趣味を仕事にする。
靴磨き職人。

字面だけ見たら、なんだかかっこいい。

でも、実態は違う。

それを体験できる、もしくは想像できる頭があれば、僕の人生は違っていたかもしれません。

職人として働いたことに後悔はありませんが、職人として成功できなかったことは事実。

もし、これから趣味を仕事にしようと考えている人がこれを読んでくれたのなら、

自問しみてください。

①あなたの好きなことを仕事にしたら、変わってしまうことは何ですか?
②変わってしまうことに対して、あなたは好きなことを好きなままでいれると思いますか?

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この記事を書いた人

元靴磨き職人サラリーマン。
ビルケンシュトックが好き。
登山やキャンプなどのアウトドアも好き。

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